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『退職手続に係わるニーズ調査』について

〜2007年問題に向けた電子政府の対応課題を提案する〜

2005/12/12
次世代電子商取引推進協議会

 次世代電子商取引推進協議会(略称:ECOM、東京都港区芝公園、会長:後藤卓也 花王株式会社取締役会長)は、この度企業の総務人事部門と、団塊の世代の個人を対象に『退職手続に係わるニーズ調査』を行いました。
 ECOMでは、これまで5年間電子政府の利活用に向けた検討を行なってきましたが、電子的行政手続きの実現に係る環境整備は着実に行われてきており、大半の手続は電子申請可能となっている反面、電子申請の利用率が低迷している最大要因は、「電子申請という IT サービス設計における、申請手続きの利用者(国民や企業)の視点の欠如」にあると考えています。
 すなわち、現在の電子申請の大半は、申請の受付側(国や地方公共団体等)の視点に基づく「手続き毎」の電子化が構築されており、申請手続きの利用者(国民や企業)が期待している「生活上・ビジネス上のイベントにおける一連の手続き」という視点とのギャップが、電子政府にメリット性が感じられなくなっていると分析しております。 今後、電子申請等の利活用を拡大するには、これまで構築してきた各種の IT サービスを「サービス利用者の視点」でまとめなおすことが必要不可欠であると考えます。
利用者の視点で電子政府のニーズを探る試みとして、今回、「退職時おける行政関連手続」をテーマに、企業と個人の双方から調査を行ないました。
 2007年前後で団塊の世代800万人が60歳に達し、定年、再就職、自由人生等、社会生活環境を大きく転換する作業に追われることとなり、所属していた企業の総務部門および個人が行なわなければならない行政的手続きが膨大となることが想定されます。 こうした退職時における行政関連手続きなどでは電子政府機能が期待され、総務人事部門の人件費コスト削減、個人のその後の生活利便基盤(年金、健康、資産の管理、起業、個人事業等)の確立等が実現できるとの仮説を立て、企業1050社、団塊の世代の該当者410名から回答を得、それらの意見を集計致しました。
 調査結果の主なポイントは以下のとおりです。

■調査の概要

<企業向け調査>
 企業の総務人事部門を主たる対象に以下の該当者を選別し、Web方式によるアンケート調査を実施した。
   1.従業員の退職時等の行政手続きを主に担当している
   2.主な担当ではないが、従業員の退職時等の行政手続きを担当することがある
   3.主な担当ではないが、従業員の退職時等の行政手続きの手助けを行うことがある

<団塊の世代向け調査>
 団塊の世代ならびにその前後の年代(55-64歳)の会社員を対象とし、Web方式によるアンケート調査を実施した。

< 調査期間>
  事前調査(対象の絞込み) : 2005年11月16日〜11月25日
  本 調 査            : 2005年11月25日〜11月28日

<回答サンプル数>
  企 業 : 1050社
  個 人 :  410名

■調査の結果(概要)

1.企業1050社の回答結果について

  • 雇用者に係わる行政事務手続について約半数の企業が負担を感じている。

  • とりわけ、年末調整等給与支払関係の手続については約60%の企業が負担を感じている。また、雇用保険関係の手続についても約半数の企業が負担を感じている。

  • 300人以上の規模の企業においては80%以上が、団塊の世代の退職期における手続の負担増を懸念している。

  • 80%の企業がこれらの手続をインターネット化する事で便利になると感じており、90%近くが実際にインターネット化を進めるべきだと考えている。
    また、80%の企業が、団塊の世代の退職者が集中する2007年までにインターネット化の実現を望んでいる。

2.50代、60代の個人410人の回答結果について

  • 老齢給付裁定請求手続が在職中に出来ることに対して、実際に経験している、いないかに係わらず、約90%の人が便利になると考えている。

  • これをインターネットで一括処理できるようにするべきだと考えている人は94%に上る。なかでも、58%の人が「税金を投入してでも積極的に進めるべき」と回答している。

  • さらに、それを2007年までに実現するべきだと考えている人も92%に上る。

回答結果の詳細はこちらの資料(PDF)をご覧下さい→「退職者手続調査集計(概要編)

■調査結果から伺えること

 今回の調査結果から、企業、個人の双方からインターネット化に対する強い要望が伺えた。なかでも団塊の世代の退職がピークになる2007年までに整備を求める声が、企業で8割、個人では9割を超えていることは注目に値する。
 企業と行政がインターネットで手続が実施でき、さらに退職時の手続も会社のインターネット環境を利用して可能な仕組みができれば、企業・退職者双方にとって極めて利便性が高く活用される電子政府が実現すると考えられる。

 現状の電子申請・届出等の手続がワンストップになっていないこと、公的個人認証サービスを利用するための住基カードや電子証明書の取得が従業員の間で進んでいないことなどの問題があるが、これらの問題を解決し、企業の負荷軽減を図ることで、ゆくゆくは個人での電子申請・届出等の使い勝手向上による利用者増につながることが期待される。

 ECOMでは、本調査結果を受けて、退職手続における行政・企業・個人を包含したあるべきスキームを本年度末に報告書として取りまとめる計画です。

■本件に関する問い合わせは下記までお願いします

次世代電子商取引推進協議会(ECOM) 電子政府・ビジネス連携WG
                           主席研究員:安達 和夫
〒105-0011 東京都港区芝公園3丁目5−8 機械振興会館3階
                            TEL:03-3436-7500

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